「アーサー」
「ん…」
「アーサー」
「あー…あと5…10分…」
「っんのさっさと起きろ眉毛野郎ー!そして時間を増やすな!」

ぎゃぁ!と情けない叫び声を上げながら俺は毛布ごとベッドから放り出された。暖かな布団の中から一転、冬の寒さが残る冷たい床へと身を預ける。

「痛ってぇなー!!!!」
「煩い!自分から私に起こせって言ってたのに起きない方が悪いわよ。ほら、今日世界会議なんでしょう?」

そう言いながらバスルームを指差して俺に身支度を指示する彼女に、ささやかながらの抵抗をしようと軽く睨んでみたが、痛くも痒くもないという顔をして「朝食を用意してくるわ」と言いながらキッチンへと足を向けていた。


懐かしい夢を見たんだ。がまだ小さい、国としての始めの頃の。昔はあんなに体も小さくて我侭放題だったこいつも時の流れとともに国としての自覚を覚え、一国として自立していた。だが、自立していた、と言い切るのはおかしいかもしれない。何故ならこいつはまだまだ未熟な面が多いからだ。体だけは大きくなっても、中身は昔と何も変わらない面が多い。まだ暫くは俺がこいつの面倒を見てやらないといけないと思う。他の国にの相手は無理だろうし、何よりその辺の野郎にをやるつもりはこれっぽっちもねぇ。

はっ!これじゃぁ娘を嫁にやる気がない親父みたいじゃねぇか!

「ちょっと。ドア相手に百面相してるとこ悪いんだけど、本当に時間ないわよ」
「わ、わかってる!今行こうとしてたとこだっ」
「ドアノブ握って赤くなったり青くなったりしてる人が何言ってるんだか…あぁ!ふーん…ねぇ、」

パパ、一人で入れないなら一緒に入ってあげようか?
そう悪戯を思いついた時特有の顔を近づけながら言ってきた彼女に、「バッ…バカなこと言うんじゃねぇ!」と力の限り叫んでバスのドアを閉めた。