すき、きらい、すき、きらい、すき、きらい、す…

「好き、か…」

そう言いながら最後の花びらを手から離す。地へと落ちた花びらは春風に乗ってふわりと舞い上がる。

花などに想いを語らずとも直接本人に言えればいいのに。そう思いながらも草原に座りこんでこの行為をするのは一体何度目だろうか。は溜息をつきながら用済みとなった茎の部分を自分の横へと置いた。

好きだと、そうフランシスに言えばいいのだ。その一言だけを伝えるだけなのにどうしてこんなに苦しいのだろうか。自分があまり愛情を表に出すタイプではないのは自身で一番わかっているつもりだ、とは思っている。想い人である彼は流石愛の国の体現であるとでも言うべきか、彼のはそれはマメで細やかで、そして惜しみない愛情をへと注いでくれる。それを少しでも自分も伝えたい。相思相愛と言っても状況に甘んじるのは良くない。いつかそんな自分に愛想をつかれてしまうのではないかという不安でここ数日苦しくて仕方がないのだ。俯いて地の草花を見つめているはずの視界が徐々に滲んでぼやけていく。

少しの勇気があれば。嗚呼少しの勇気どうか。

「…フランシス、好き」
「うん、俺も好きだよ

突然聞こえた声に驚いて顔を上げると、先程横に置いたはずの花の茎を持ったフランシスがの隣に座っていた。

「フラ、ン、シ…」
「お兄さん嬉しいなぁ。だってが俺のことを好きって言ってくれたんだぜ」

今なら嬉しくて死にそうだよ、などと笑いながらフランシスは足を大きく投げ出して笑いながら空を見上げている。

「死ぬなんてそんな!」
「ははは、物の例えだって」
「そう…」
「そうだよ。嬉しいけど、今そんなことになったら、にもっと好き言ってもらえないじゃないか」
「あ、あのね、フランシス、私」
「お兄さんは欲張りなんだぞー。でも無理してるを見るのは嫌だから、ね。ゆっくり言えると思った時に言ってくれればそれだけで嬉しいよ」

そう言って優しげに微笑みながら彼女の目元の涙を拭うフランシスの手のぬくもりが、まるで今までの心苦しさなど涙と一緒に拭ってくれたようだ、とは思った。今なら言える。言おう。彼に私の一番の想いを伝えるんだ。

「ねぇ、フランシス」
「ん?」
「私ね、あなたのことが         」